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Special

ミュージカル版『蜘蛛女のキス』上演

「より原作のイメージに近い」演出だそうです

1月24日より、80年代を代表するゲイ映画『蜘蛛女のキス』のミュージカル版(日本版)が上演されます。ともに監獄に入れられた革命家とゲイ、極限的な状況で2人の間に芽生えるせつない愛の行方は…より原作のイメージに近いという演出で、感動を呼びそうです。

1月24日より、80年代を代表するゲイ映画『蜘蛛女のキス』のミュージカル版(日本版)が上演されます。ともに監獄に入れられた革命家とゲイ、極限的な状況で2人の間に芽生えるせつない愛の行方は…より原作のイメージに近いという演出で、感動を呼びそうです。


 朝日新聞に大阪公演のレポートが掲載されていたので、ご紹介します。
 ミュージカル版『蜘蛛女のキス』は、鉄格子に囲まれ、青白い光が時折差す、陰鬱な刑務所内で展開します。モリーナ(石井一孝)と、ヴァレンティン(浦井健治)は当初は反目しあっていますが、モリーナがゲイであるがゆえに看守たちから激しい辱めを受けるのを見た頃から、ヴァレンティンは心を開き始めます。看守の暴虐ぶりが残忍であればあるほど、構造的貧困という名の暴力に立ち向かっている政治囚と、いわれなき差別と辱めを受けている性的少数者の共通点が浮き彫りになってゆきます。
 初めは「中年のオカマ」にしか見えなかったモリーナが、血みどろの拷問が繰り返される極限状況の中でヴァレンティンに尽くすうちに、愛する男のために命をかける誇り高きゲイの顔に、そして美しい“女”の表情になってゆきます。
 第2幕の冒頭、モリーナが青い布をひらひらさせて「大波・小波・大波・小波」と海岸を表すコミカルな動きをして「リオのカーニバルね。ダンスをどうぞ」と言うシーンは涙をそそります。どんな極限的な状況に置かれていても、人は、想像力と愛があれば、幸せを感じることができるのです。
 金志賢(蜘蛛女とオーロラ役)とモリーナ、ヴァレンティンによる三重唱「Anything for Him」は、「彼のためなら、迷うことなく、命さえ投げ捨てる」と歌い上げます。モリーナは、主義のためでも未来のためでも愛されるためでもなく、ただヴァレンティンのためだけに、命を捨てる覚悟を決め、政府側と反政府側の力が拮抗した街に立ちます…
 「この傑出した作品は、小説・戯曲・映画・ミュージカルと姿を変えながら、オリジナリティあふれる形で、普遍的なテーマを掘り下げ続けている」と記事は締めくくられています。


公演イメージ画像。
左から浦井健治、金志賢、石井一孝
『蜘蛛女のキス』は、1985年に映画化されてアカデミー主演男優賞をはじめ、カンヌなど多くの賞に輝きます。その後、『シカゴ』『キャバレー』の名コンビ、ジョン・カンダー&フレッド・エッブの楽曲を得て、ミュージカル版が1991年にロンドンで初演され、1993年にはブロードウェイに進出、トニー賞を受賞するなど、大きな話題となりました。日本では1991年にストレートプレイとしてtptが初演し(モリーナは村井国夫、ヴァレンティンは岡本健一)、1996年にミュージカル版が初演されました。今回の舞台は、2007年の荻田浩一演出のミュージカル版の再演です。
 石井一孝さん、浦井健治さんは前回公演からの続投で、オーロラ/蜘蛛女役で新たに、劇団四季出身でミュージカル界屈指のディーバである金志賢さんが登場します。そんな彼女に常にまとわりつくようにユニークな動きを見せるのが、あの「シルク・ドゥ・ソレイユ」にも参加したカリスマ的ダンサー、辻本知彦さんです。「愛と人間の尊厳を問う普遍的ストーリー、圧倒的な歌声、そして独創的なダンスがバランスよく三位一体となった、質の高いミュージカルとなりそう」と『ぴあ』は評しています。
 そして、今回の演出家・荻田浩一さんは、元宝塚歌劇団所属の演出家で、本当にたくさんの舞台を手がけてきた実力派。おそらく元宝塚だけに、セクシュアリティやジェンダーに関しても理解に厚い方だと思います。パンフレットでは「何年か何十年、あるいは何百年に一作、非常に強いオリジナリティを放つ作品が世の中に登場します。『蜘蛛女のキス』もその一つだと信じて疑いません」と述べているそうです。また、製作発表の場で「『蜘蛛女のキス』は原作がまず素晴らしく、戯曲としてこれだけ完成しているのはめずらしい。ミュージカル版をいかに原作のイメージに近づけられるかです」と語っている通り、より原作のイメージに近い演出で、2007年の上演も好評を博したそうです。
 

ミュージカル『蜘蛛女のキス』
日程:1月24日(日)~2月7日(日)
会場:東京芸術劇場 中ホール
料金:S席12,000円 A席8,000円 Z席3,000円(全席指定・税込)
脚本: テレンス・マクナリー
作曲・作詞:ジョン・カンダー&フレッド・エッブ
演出・訳詞:荻田浩一
出演:石井一孝、金志賢、浦井健治、初風諄、今井朋彦、朝澄けい、縄田晋、ひのあらた、田村雄一、照井裕隆、笹木重人、長内正樹、辻本知彦


極限状況における男“女”の愛、「蜘蛛女のキス」開幕(朝日新聞)
http://www.asahi.com/showbiz/stage/spotlight/OSK201001170001.html

石井一孝、浦井健治、金志賢によるミュージカル『蜘蛛女のキス』間もなく開幕(ぴあ)
http://news.pia.jp/pia/news.do?newsCd=201001040003