アメリカのハイスクールを舞台とした歌とダンス満載のミュージカル・コメディ・ドラマ『GLEE』。ゴールデングローブ作品賞なども受賞し、今全米で大ヒット中のドラマがいよいよ日本でスタートします。この『GLEE』、実は『SATC』や『アグリー・ベティ』に続くようなゲイ人気まちがいなし!のドラマなのです。この特集ではそのゲイ的な魅力をご紹介いたします。 28日(水)から放送されますので、FOXを視聴できる方はお見逃しなく!
GLEE(FOX)
1月28日(木)24時〜スペシャルプレビュー放送
2月7日(日)23時よりレギュラー放送(全22話)
FOXが今年のイチ押しのTVシリーズ『GLEE』は、ゴールデングローブ作品賞、SAG賞に輝き、GLAADメディア賞にもノミネートされ、全米で大ヒット中!なミュージカル・ドラマです。
「GLEE」はグリー・クラブのグリーのことで、高校のさえない合唱部の成長を描いた、いわば『ハイスクール・ミュージカル』の合唱版です(『ハイスクール・ミュージカル』はディズニーが手がけ、ザック・エフロンというスターを生んだ大ヒット・ドラマ。映画化もされましたね)。高校生たちが音楽を通じて成長していく姿=青春群像を描く(その中の主要キャラクターの一人がゲイ)という意味では、あの永遠の名作『フェーム』や、『CAMP』という映画をも彷彿とさせます。
この『GLEE』、ミュージカル・ドラマとして実に多くの「歌って踊る」パフォーマンスが盛り込まれているのも大きな魅力です。いわゆるミュージカルのようにセリフの途中で突然歌い出したりするわけではなく、歌やダンスのシーンはステージ上のパフォーマンスとして繰り広げられるので、違和感なく観られます。たとえばあのビヨンセの「シングル・レディース」なんかも披露されます。
いかがでしょうか? これだけでもゲイが気に入りそうな匂いがプンプンしますよね?
舞台はオハイオの高校。スペイン語の教師ウィル・シュエスターは、合唱部が危機に瀕していることを知り、顧問となって、部を再設立、部員集めに奔走します。集まったのは、歌好きの実力派揃いではありますが、自分が熱唱する動画を毎日My Spaceにアップするような自意識過剰&勘違い系のレイチェル、ゲイのカート、おでぶな子、車椅子の子、どもり少女など、個性的過ぎる面々。歌は上手いけど…と悩んだウィルは、友人のアメフト部顧問ケン・タナカに頼み込み、脅迫まがいの方法でマッチョなアメフト部員を引き入れます。かくして、個性的な合唱部が誕生します。
この合唱部内でディーバ、レイチェルに対抗するのが、ゲイのカートです。
アレキサンダー・マックィーンがデザインしたふわふわのセーターを着て見事な高音を響かせるカートは、ゲイ版のディーバ。ビヨンセの「シングル・レディース」を歌うときは本人よりも激しく踊ります。
芯の強さと率直さもカートの魅力です。ゲイの息子を受け入れられない父親との緊張感漂うシーンには心を打たれます。
部員だけでなく、脇を固めるキャラクターも個性的で面白い人ばかり。いつもジャージ姿で合唱部をつぶそうと躍起になっているスー・シルベスター先生(ジェーン・リンチ)、妊婦を装うウィルの奥さん、ウィルといい仲になる潔癖症のカウンセラー、そして、レイチェルのパパたち(両親がゲイ・カップルなのです)などなど。
鬼のようなスー先生を演じているのが『Lの世界』にも出演しているオープンリー・レズビアンの女優、ジェーン・リンチであることも話題ですが、もう1人、ゲイ的に見逃すことができない俳優さんがいます。
「Tokyo Wrestling」の記事によると、ゲイの「ディーバ」カート役を演じている19歳の個性派俳優クリス・コルファーです。このカートというキャラクター、実はもともと脚本にはなく、クリス・コルファーのために作られた役(当て書き)なんだそうです。
クリス・コルファーは、専門的な歌のトレーニングを受けていないにも関わらず、オーディションに見事合格したそうです。実は、初めは別の役でオーディションを受けたのですが、オーディション中にプロデューサーの目に留まり、彼のために新たなキャラクターが特別に作られたんだそうです。脚本を書き直され、クリスはドラマの中で重要な役割を担うことになったのです。
全米が注目するドラマで一躍有名になったクリス・コルファーは、昨年、アメリカ最大のLGBTニュースサイト「Advocate.com」のインタビューでカミングアウトしました。「高校ではカミングアウトしていた?」との質問に、「いいえ、まったく。僕の故郷の町では、ゲイだと知られたら殺されるから」と答え、アメリカの厳しい現実を物語っていました。
これから売れて行くという時に堂々とカミングアウトしたクリス・コルファー(しかも弱冠19歳)。今後も彼の活躍を応援したいものです。
センセーショナルなシーンの連続で毎回話題を呼んでいる大人気TVドラマ『Nip/Tuck マイアミ整形外科医/ハリウッド整形外科医』を手がけた脚本家/プロデュサーのライアン・マーフィー。「Tokyo Wrestling」の記事によると、彼もオープンリー・ゲイなんだそうです。
『Nip/Tuck』は、ゲイのマーフィーならではのテイストと毒っ気たっぷりのユーモアをふんだんに盛り込み、マイアミ(のちにカリフォルニアに移動)を舞台に主人公の美容整形外科医ショーンとクリスチャンの二人の男性の友情を超えた(愛に近い)関係を主軸に描いたヒューマン・ドラマです。マーフィー自身も『Nip/Tuck』は「ストレート男性二人の愛(必ずしも性的な意味ではない)についてのドラマだ」とコメントしています。
また、サブキャラクターとして登場する麻酔医のリズがレズビアンだったり、ショーンの妻ジュリアが彼女を作ったり、ショーンの息子マットが「ゲイかもしれない」と悩んだり、女性だと思っていたコーチのアバが実はトランスセクシュアルだったりと、クィアなエピソードが満載です。
そんなマーフィーが手がける新作が『GLEE』というわけです。
この企画はもともと、マーフィーがTVではなく映画向けに考えていたんだそうです。全ての音楽の選曲はマーフィー自身によるもので、その選ばれた楽曲のバランスとセンスの良さはすでに評判になっています。ビヨンセなどの現在のヒット曲から過去の名曲まで、物語に合うように絶妙な選曲になっているそうです。

放送をお楽しみに!