1年で最も出不精になりがちな2月。寒いだけに、どうしても家に閉じこもりがちですよね…でも、この2月は、ぜひ映画館にお出かけください。ゲイ的に魅力な映画がいろいろ公開されるのです。

日本を代表するオープンリー・ゲイの監督、橋口亮輔さんのオールナイト上映イベントが池袋の新文芸坐で行われます。
上映前には橋口監督のトークもあるそうです。
上映作品は『ハッシュ』『二十歳の微熱』『渚のシンドバッド』の3本。橋口監督のゲイ三部作を一挙に上映、という、なんとも豪華な企画です。まだ観ていない方はもちろん、すでに観た方も、この機会にもう一度通しで観てみる、というのも素敵かも?
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橋口亮輔オールナイト
日時:1月30日(土)22:30〜
会場:池袋 新文芸坐(池袋駅東口徒歩3分)
東京都豊島区東池袋1-43-5マルハン池袋ビル3F
上映作品:『ハッシュ』『二十歳の微熱』『渚のシンドバッド』
問合せ:新文芸坐 03-3971-9422
入場料:2,200円

『ブロークバック・マウンテン』でせつない涙を流したゲイたちの心の恋人、ヒース・レジャーの遺作です。第一の目的はヒースの最後の姿をスクリーンで見届けること。ヒースの役どころは、死にそうになっているところを助けられ、イマジナリウム(幻想館)という装置で人々を幻惑させるパルナサス博士の大道芸の一団に加わる謎の青年、というものです。あの『ダークナイト』の驚異的な禍々しさではなく、上品なスーツを着た好青年であり、神秘的でもあり、情熱的でもある魅力的な男性でした。亡くなったヒースに代わり、残りの部分を完成させたジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルという3人の名優の登場シーンは違和感なく、うまくつながっています(おそらく脚本も書き換えられたのでは?と思いますが)。ファンタジー作品だからこそ成立した離れ業です。
ファンタジー作品は、ともすると映像美、映像の面白さにばかりこだわって、中味の薄っぺらい作品になりがちですが、『Dr.パルナサスの鏡』は違います。さすがはテリー・ギリアム監督。深みがあります。善と悪、真実と嘘、生と死、そして「人生の選択」、「物語」を紡ぎ続けるということ…ある種、宗教的でもあり、哲学的でもあるような「問い」(そして「謎」)がたくさんちりばめられています。なにしろ、この作品の中で最も魅力的な(カッコいい)キャラクターは、トム・ウェイツ演じるダンディな悪魔なのです。ハリウッド的なエンターテインメントというよりも、「寓話」のようなものとして観てみてください。
<ストーリー>
2007年のロンドン。パルナサス博士率いる旅芸人の一座が、街にやって来る。博士の出し物は、人が密かに心に隠し持つ欲望の世界を、鏡の向こうで形にして見せる「イマジナリウム」。博士の鏡をくぐりぬけると、そこにはどんな願いも叶う摩訶不思議な迷宮が待っている。しかし、齢千歳になるという博士には悲しい秘密があった。たった一人の娘が16歳の誕生日を迎えたら、その命を悪魔に差し出すという約束をしていたのだ。タイムリミットは3日後に迫っている。一座に加わった記憶喪失の青年トニーとともに、博士は、鏡の迷宮で最後の賭けに出る…
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『Dr.パルナサスの鏡』THE IMAGINARIUM OF DOCTOR PARNASSUS
2009 年/イギリス=カナダ/配給:ショウゲート/監督・脚本:テリー・ギリアム/出演:ヒース・レジャー、ジョニー・デップ、コリン・ファレル、ジュード・ロウ、クリストファー・プラマー、リリー・コール、トム・ウェイツ、ヴァーン・トロイヤー、アンドリュー・ガーフィールドほか

良き妻で良き母でもある50歳の女性が、新たな愛に目覚め、新しい人生の始まりを迎える姿を描く人間ドラマ。心の病や母娘の確執、恋愛など、人間関係にまつわる様々な機微をとらえた作品です。エグゼクティブ・プロデューサーがブラッド・ピット、監督は、あのアー
サー・ミラーの娘であるレベッカ・ミラー(自作の小説を映画化したもの。そりゃあいい本が書けるわけです)、そして何とも豪華な出演陣が集結し、インディペンデントで作り上げたクオリティ志向な作品です。
主人公ピッパ・リーの幸せだけど息苦しい今の生活と、若い頃の彼女の波瀾万丈なストーリーが交互に映し出されていきながら、胸の内に秘めたものが明らかにされていきます。ピッパが16歳の頃、家出をして、レズビアンである叔母の家で暮らすというエピソードがあります。叔母はカットという女性と同棲してい
ます(これで何作目?というくらいレズビアン役を演じてきているジュリアン・ムーアが演じています)。結局、ピッパはそこも出て、ある人と出会い、そして、トラウマになるような事件が起こるのです…
『50歳の恋愛白書』という題名からイメージされるものとは程遠く、若い頃にピッパが体験したヘビーな出来事ゆえに病んでしまった心を解放するということがテーマです。ゲイの方の中にも、ひどい出来事があったせいで心の傷を負ってしまい、今でも心の病を抱えて悩んでいるという方は多いのではないかと思います。きっとこの映画から「癒し」につながる何かが得られるのでは…?と思います。
<ストーリー>
年上のベストセラー作家と結婚し、2人の子どもを育て、完璧な妻を30年近く演じてきたピッパ・リー、50歳。でも、そんな自分を取り巻くのは、浮気な夫、ダメ女の親友、反抗的な娘…。誰もが「理想の妻」としてうらやむ彼女だったが、日々感じるのは型にはまった退屈で息苦しい自分。だがある日、
15歳も年下のクリスとの出会いによって、ピッパは変わっていく自分を感じる。そして、今までの自分を捨てて、新しい人生を始める…
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『50歳の恋愛白書』The Private Lives of Pippa Lee
2009年/アメリカ/配給:ギャガ・コミュニケーションズ/監督:レベッカ・ミラー/出演:ロビン・ライト・ペン、キアヌ・リーヴス、ウィノナ・ライダー、ブレイク・ライヴリー、モニカ・ベルッチ、ジュリアン・ムーア、アラン・アーキン、マリア・ベロ

南アフリカ共和国大統領となったネルソン・マンデラが、国を二分する黒人と白人の「戦争」に終止符を打ち、国を一つにするための象徴として、95年のラグビーワールドカップで成し遂げられた奇蹟を映画化したものです。すべては実話です。27年間の監獄生活で培った恨みを晴らすべく、白人たちの権利を奪い、文化を破壊することもできたはずですが、マンデラはそれをしなかった、赦したのです。それは、取りも直さず、マンデラがリアリストであり、真に偉大な指導者であり政治家であったことの証明です。
『グラントリノ』でクリント・イーストウッド監督は、対立する民族(コミュニティ)の宥和のために命を賭けた男の姿を描き、多くの観客が「目の幅で」涙しました。『インヴィクタス』もその同じラインの上にあって、さらに大きなスケールでの宥和を描いています。
ラグビーのお話なので、絵面はまるでなつかしの「スクールウォーズ」です。が、登場するラグビー選手たち(マット・デイモンや、オールブラックスの現役選手たち)はもっとバルクマッチョだったりガチムチだったりして、たいへん目の保養に…でもたぶん、そんな目で見る余裕がないくらい、涙をこらえるのに精一杯だと思います。
(たぶんないでしょうが)いつか、イーストウッド監督にアメリカという国で今まさに進行している同性婚の問題を描いてほしい…そう願わずにはいられなくなる作品です。
<ストーリー>
アパルトヘイト(人種隔離政策)の犠牲となり、27年もの監獄生活を送ったのち、1994年に南アフリカ大統領となったネルソン・マンデラ。多くの黒人たちが「白人を国から追い出せ」と憤っていたように、復讐することもできたはずですが、国を再生させるという使命感のもと、マンデラは白人との宥和を打ち出します。英国のパブリック・スクール(上流階級の子弟が通う高校)で誕生したラグビーというスポーツは白人のものであり、南アフリカのラグビーチームは黒人たちから「負けろ」と言われる始末(黒人たちはサッカーを楽しんでいました)。ろくに勝利したこともなく、「国の恥」とまれ言われ、緑と金色というアパルトヘイト時代の国旗のカラーを用いていたこのチームを、黒人たちは徹底的につぶそうとします。しかし、マンデラは…
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『インビクタス』Invictus
2009年/アメリカ/配給:ワーナー・ブラザース/監督・製作:クリント・イーストウッド/原作:ジョン・カーリン/出演:モーガン・フリーマン、マット・デイモン、トニー・キゴロギ、パトリック・モフォケン、マット・スターン