『プリティ・ウーマン』の監督ゲイリー・マーシャルによる、前代未聞の超豪華キャストで贈る鳴り物入りのロマンチック・ラブコメディで、アメリカでもバレンタインの週として歴代最高記録を打ち立てた大ヒット作品です。
ロサンゼルスの街を舞台に、バレンタインデーの1日の様々なカップルのドラマを描いたハッピーなラブコメで、15人もの登場人物が全力で愛を伝え、新しい恋をはじめたり、別れたり…次から次に「恋のから騒ぎ」が繰り広げられます。
観客の多くは男女の恋愛模様を期待して映画館に足を運ぶと思いますが、アフリカ系やインド系の人たちが登場するのと同様、そこにはゲイも登場します。しかも、本当に素敵な、あっと驚く登場のしかたで。
ロマンチックな気分にひたりたいカップルも、個性的なキャラクターの活躍を観たい人も、ゲラゲラ笑いたい人も楽しめる作品ですが、この時期にああいうゲイの登場のしかたって…素晴らしすぎる!と感動し、泣けてしまう人もいるだろう、意外な名作でした。
このあと、詳しく見どころをお伝えいたします。

『バレンタインデー』VALENTINE'S DAY
2010年/アメリカ/配給:ワーナー・ブラザース映画/監督:ゲイリー・マーシャル/出演:ジェシカ・アルバ、キャシー・ベイツ、ジェシカ・ビール、ブ
ラッドリー・クーパー、エリック・デイン、パトリック・デンプシー、ヘクター・エリゾンド、ジェイミー・フォックス、ジェニファー・ガーナー、トファー・
グレイス、アン・ハサウェイ、アシュトン・カッチャー、クイーン・ラティファ、ジョージ・ロペス、シャーリー・マクレーン、エマ・ロバーツ、ジュリア・ロ
バーツ/全国で絶賛公開中
この映画の勝因は、あまりにも豪華すぎるキャストや、『プリティ・ウーマン』を生み出したラブコメの帝王、ゲイリー・マーシャル監督の手腕もありますが、やはり脚本の面白さだと思います。
複雑につながり、からみあった人間模様のドラマがテンポよく次々に展開していく面白さ、小気味よさ。熟練の技を感じます。
決してバレンタインデーは若い男女が浮かれるだけの日ではなく、結婚50年を迎える老夫婦にとっても、小学生の子どもにとっても大事な日、そしてストレートだけじゃなくゲイだって同じこと、中にはバレンタインデーの存在を忌まわしく感じる人たちもいるし(わざわざキリスト教と無縁なインド料理屋を借りて「バレンタインデーなんか大嫌い!パーティ」を開くところが面白いです)、この世でいちばん愛している人がパートナーとも限らない…そんなメッセージ(世界観)が伝わってきます。バレンタイン(愛を伝え、誓い合う日)というキーワードを通じて、本当に様々な人たちの声や気持ちやリアリティを反映し、誰が観ても共感できるような脚本になっているのです。
脚本家はキャサリン・ファゲイト、アビー・コーン、マーク・シルヴァースタインという3人。本人がゲイかどうかはわかりませんが、少なくとも素晴らしくゲイフレンドリーであることは確かです(ハリウッドですから、当然身近にゲイがたくさんいるでしょう)
<ストーリー>
2月14日。ロサンゼルスで花屋を営むリード(アシュトン・カッチャー)が、一緒に暮らす恋人のモーリー(ジェシカ・アルバ)に朝一番でプロポーズする。笑顔で婚約指輪を受け取る彼女。だが、男が出かけると女は部屋の荷物をまとめ始めるのだった…。飛行機にたまたま隣合わせた男女。洗練された物腰が魅力的な30代の男性(ブラッドリー・クーパー)と、11ヶ月ぶりに一晩だけロサンゼルスでの滞在許可が下りた軍人の女性(ジュリア・ロバーツ)。二人は会話を交わすうちに親密になる。理想の男性にめぐり合い、幸せいっぱいの小学校教師ジュリア(ジェニファー・ガーナー)。そんな彼女は、親友リードのアドバイスで、サンフランシスコへ出張に行く医師のハリソン(パトリック・デンプシー)をこっそり追いかけることに。しかし、ハリソンは全く別の場所へと向かっていた…。結婚50年を過ぎても変わらぬ愛を誓い合う仲睦まじい老夫婦。ところが、よりによってこの日に、妻(シャーリー・マクレーン)は夫(ヘクター・エリゾンド)に重大な告白をする…。つきあいはじめて間もない、同じ会社で働く男女。だが、その女(アン・ハサウェイ)は誰にも言えないサイドビジネスに励んでいた…。みんながみんなバレンタインデーを楽しんでいるわけではない、と今年も「バレンタインデーなんか大嫌い!パーティ」を開く、アメフトの有名選手(エリック・デイン)のパブリシスト、カーラ(ジェシカ・ビール)。そんな彼女に近づくスポーツキャスター(ジェイミー・フォックス)。彼は、電撃引退の噂がある選手を取材したいだけだったが、彼女がバレンタインデーを嫌う本当の理由を知り、その存在が気になり始める…。年齢も職業も、愛のかたちも様々な人たちが織り成す愛の行方は?
バレンタインに無縁なインド料理屋で「バレンタインデーなんか大嫌い!パーティ」を開く女たち
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アン・ハサウェイ(右)と
クイーン・ラティファ(左) まずは女優陣からご紹介。
アン・ハサウェイがすごいです!今までのお嬢様的なイメージとはがらりと変わって、たいへん「性に奔放」でユニークな女性のキャラクターを演じています(ゲイの兄を持つと演技の幅も広がりますね)。彼女の「お相手」の中には女性もいて、たぶんレズビアンだと思われる女性が寄って来たりもします。
アン・ハサウェイの上司にあたるクイーン・ラティファもいい味、出してます。さすがは『シカゴ』のビッグママ(そして『ヘアスプレー』のメイベル)。上司はこういう人がいいなぁと思うことでしょう。
グラミー賞の主役だったテイラー・スウィフトが、頭の悪そうなイマドキの女子高校生役で映画初出演してます。脱力感たっぷりなダンス・シーンは笑えるハズ。
そしてキャシー・ベイツ! さらにシャーリー・マクレーン! 本当にゲイ好みなキャラクターがしっかり魅了してくれます。
『バレンタインなんて大嫌い』パーティに集まる女たち(ジェシカ・ビールほか)も素敵です。思わず共感すること間違いナシ?
続いて、男優のセクシー度に注目してみましょう。
美形がお好みな方は、なんといっても主役のリード(アシュトン・カッチャー)でしょう。
若くてピチピチの体育会系男子が好きなら、テイラー・スウィフトの彼氏(陸上選手)役、テイラー・ロートナーに注目!
30代~40代の「働く男」系が好きな方は、ジュリア・ロバーツとからんでいるスーツ姿のブラッドリー・クーパーや、スポーツ・キャスター役のジェイミー・フォックス、医者役のパトリック・デンプシー、アンの彼氏である郵便局員のトファー・グレイスあたりが気に入るかも。
そしてそして、がちむち兄貴ファンに朗報!なのが、アメフト選手役のエリック・デイン。なぜかシャツを脱いでセクシーな肉体を披露し(サービスショット?)、あなたを悩殺します。
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この中のいったい誰が…? 初めにお伝えしたように、この『バレンタインデー』、ちょっとビックリ!な感じでゲイのキャラクターが登場します。
本国アメリカでは、誰がゲイの役を演じるのか周知の事実になっていたにも関わらず、予告編でゲイのストーリーの片鱗も見せず、しかもわざわざノンケに見えるような映像を流していたことに批判の声も上がりました(「ゲイのストーリーは意図的に隠されている」「ゲイが出たら売れなくなるとでも思っているのか?」)
確かに日本でも、ゲイが登場するということは全く宣伝されていません。
で、実際に映画を観てみると、ストーリー展開上、どの俳優がゲイ役なのかを言うわけにはいかない、それは重大な結末の暴露(いわゆるネタバレ)になってしまうだろう…と感じました。そのサプライズが見事に成功するためには、ゲイが登場するなんてことすら言わないほうがいいという判断もあったのでしょう、きっと。
ただ、バレンタインという異性愛者色が強すぎなイベントにげんなりしているゲイたちに対して、そのことは格好の宣伝材料になるわけですから、全く言わないのももったいないんじゃない? あれだけ素晴らしいシーンが盛り込まれてるわけだから「ぜひゲイの人たちに観ていただきたい」くらい言えばいいのに…とは思いました。
とりあえずは実際に映画館で観てみてください。
中には「ありえない!」と思う人もいるかもしれませんが(日本ではまだありえないでしょうが…欧米ではリアリティがあるんでしょうね)、きっと彼の周りの人たちのリアクションも含めて「素敵!」「素晴らしい」と感動すると思います。
