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Qtube vol.17

第17回 matmos(マトモス)

知る人ぞ知るエレクトロ・アート・ユニット、matmos(マトモス)。マトモな見た目とは裏腹なマトモじゃない音楽にビックリしてみてください♪

第17回 matmos

 matmos(マトモス)は、ロスを中心に活動するM.C.シュミットとD.ダニエルの2人組ユニット。ジャンルとしてはエレクトロ・ミュージックですが、自然界に存在する音をサンプリングして電子音と等価に扱うような、ロックというよりもはや現代音楽に近い作風で、「いくつもの整形手術を果たした音をサンプリング・ソースに求めながらキュートなエレクトロニック・ミュージックに仕上げるという離れ業をやってのけた」「リヴァーシブル・アコースティック・エレクトロニック・ミュージックの妙」(福田教雄氏@『bounce』)などと称されたりしています。
 ビョークの『Vespertine』に参加し、ツアー・メンバーにもなっていることで有名です(最近のビョークのライブでは、必ずバックで演奏する姿が見えます)。
 見た目はまるで銀行マンか何かのように、いかにもマジメそうな雰囲気。でも繰り出される音楽のタイトルは『Rainbow Flag』だったり、『Public Sex』だったり『Semen Song』だったりします。2人はゲイで、しかもカップルで、ものすごくゲイにこだわった活動を展開しているのです。
 たとえば『Rose Has Teeth In The Mouth Of ABeast』というアルバムは、すべての曲がゲイの偉人に捧げられたオマージュになっています。1曲目はウィトゲンシュタインのための『Roses and Teeth』、2曲目はラリー・レヴァンのための『Steam and Sequins』といった具合です。いちばん最後が三島由紀夫のための『Kendo』。James Bidgood(映画『ピンクナルシス』で有名なアーティスト。ピエール&ジルやラシャペルと並び称される、写真からエロティシズムが匂い立つような、幻想的でエロティックな作風)に捧げられた『Semen Song』では、実際にダニエルのザーメンをいじっている音がサンプリングされているそうです。まったくキャンプではないですが、そこはかとなくゲイテイストが漂っているようにも聞こえます。コンセプチュアルに(あるいはプロパガンダとして)ゲイが表現されている面白いケースです。

Matmos- Exciter Lamp and the Variable Band
アルバム『Supreme Ballon』からの第1弾シングルのPV。まさにオルタナティブ。実験音楽チックです。もはやロックと呼んでいいのかどうか不安になるようなアバンギャルドさです。

 

Matmos - Public Sex for Boyd Mc Donald @ Bush Hall, London
2007年、ロンドンのBush Hallで開催された『Wire』誌の25周年記念イベントで『Public Sex for Boyd McDonald』を演奏したライブの映像。ステージ上のスクリーンにずっと美青年の入浴シーンが流れているのがさすがという感じです。

 

Bjork - Cocoon [Live @ Harald Schmidt Ft. Matmos]
たぶんテレビ放映されたライブ映像です。matmosのダニエルが演奏をしている最中、ずっとシュミットが彼の髪をなでたりしているのですが、ゲイ的なパフォーマンス(ネタ)としてやっているのか、何か音楽的な意味があるのか(もしかしたら音を拾っているのかも)…気になります。