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Special

舞台版『トーマの心臓』

2月27日から男の子だけの劇団「Studio Life」によって再演されます

萩尾望都が1974年に発表した漫画『トーマの心臓』。ギムナジウム(寄宿制の男子校)を舞台にした少年たちの愛や苦悩を描いた物語で、BL(ボーイズラブ)のさきがけとも呼ぶべき古典的名作です。この『トーマの心臓』と番外編の『訪問者』を美青年劇団「Studio Life」が上演します。

萩尾望都が1974年に発表した漫画『トーマの心臓』。ギムナジウム(寄宿制の男子校)を舞台にした少年たちの愛や苦悩を描いた物語で、竹宮恵子の『風と木の歌』と並び、BL(ボーイズラブ)のさきがけとも呼ぶべき古典的名作として崇められている作品。きっと読んだことのある方も多いと思います。この『トーマの心臓』と番外編の『訪問者』を、美青年劇団「Studio Life」が上演します。




トーマの心臓

萩尾望都/小学館文庫
 萩尾望都は『ポーの一族』『イグアナの娘』(菅野美穂主演でドラマ化されましたね)『半神』『残酷な神が支配する』『11人いる!』などでも知られています。少女漫画好きなゲイの方はきっと読んだことがあるでしょうし、ファンも多いと思います。

 ギムナジウム(寄宿舎)+美少年たちの愛という組み合わせは耽美的なBL世界の王道的シチュエーションであり(映画『アナザー・カントリー』もそうですね)、『トーマの心臓』も確かにそうなのですが、萩尾望都はそこにキリスト教的な「罪」「愛」「赦し」といったテーマをからめながら、深い作品世界を作り上げています。

 南欧の血をひくことをコンプレックスに感じながら優等生であり続けようとするユーリは、過去に忌まわしい(トラウマになるような)性体験をしており、自分を赦すことができず、全ての愛を断とうと頑なになっている少年です。そんなユーリを、トーマの自殺(遺書でその死の理由が自分にあることを知ります)、トーマと瓜二つな転校生の登場というショッキングな出来事が襲い、ユーリは困惑するのですが、先輩のオスカーはユーリのことを誰よりも気にかけ、保護者のように振る舞います。

 誰しも経験があると思うのですが、多感な中学・高校時代、「自分は何者なのか」「何のために生きているのか」「周りの人たちとどんなふうに関係性を築いていったらよいのか」と悩むものです。また、人には言えない秘密を胸のうちに隠し持っているために、素直に人を愛することができず、心を閉ざしたり、過剰に自分ではない自分を演じてみせたり…そんな、多くのゲイがきっと経験してきただろう心理が繊細に描かれ、感情移入させられます。「ユーリは僕だ」と思う方はきっと多いはずです。

 同時上演される『訪問者』は『トーマの心臓』の番外編で、オスカーがシュロッターベッツ・ギムナジウムに来るまでの物語。オスカーの悲しい生い立ちが明らかにされます。

 この名作を上演するのは、男の子だけの劇団「Studio Life」。「男版宝塚」として20~30代の女性を中心に熱狂的に支持されています。『トーマの心臓』は1996年に初演されて大成功をおさめ、何度となく再演されてきました。いわばこの劇団の代表作です。

 作者の萩尾望都は今回の上演について「(脚本・演出の)倉田淳さんは、私が及ばなかったところまで作品の世界にどっぷり浸かってくれているので信頼しています。舞台で学ぶことも多く、どんなふうに表現されていくのか楽しみにしています」と語っています。


<ストーリー>
 ある雪の日、シュロッターベッツ・ギムナジウムのアイドルだったトーマ・ヴェルナーが陸橋から転落死する。
 シュロッターベッツがトーマの死で騒然となる中、委員長であるユリスモール・バイハン(ユーリ)のもとにトーマからの遺書が届く。事故死とされていたトーマの死が自殺であること、トーマが死を選んだ理由が自分自身にあることを知り、ユーリはショックを受ける。表向きは平静を装いながらも、トーマの死を利己的な愛の押しつけと感じ、理不尽さと罪責感にさいなまれ苦しむユーリ。そんな彼を同室のオスカー・ライザーは心配そうに見つめる。
 数日後、ギムナジウムに転校生のエーリク・フリューリンクがやって来る。彼は亡くなったトーマとそっくりだった。エーリクを見るたびにユーリはトーマを思い出し、怒りや憎しみをあらわにすることもあった。エーリクはそれを迷惑だとはねつけるが、同時にユーリの存在が気にかかり、過去にトーマとユーリの間に何があったのか知ろうとする。しかし、謎は深まるばかりだった…




Studio Life『トーマの心臓』『訪問者』
■東京公演
2月27日~3月22日 @紀伊国屋ホール
■名古屋
3月27日〜28日 @名鉄ホール
■仙台公演
4月13日@仙台市民会館
詳しくは公式サイトで!