2000年頃のゲイムーブメントの飛躍的な達成を機に、東京や関西や札幌だけでなく、全国各地にゲイイベントやコミュニティ活動が飛び火し、盛り上がるようになってきました。仙台では、パレードや大規模な野外イベントこそありませんが、「やろっこ」「Anego」というグループが、HIV予防啓発やゲイプライドに関わるコミュニティ活動を着実に成熟させ、シーンを盛り上げています。このGW、彼らの年に一度のお祭りである「男魂-MEN SOUL-」というゲイナイトが行われました。そちらをレポートしたいと思います。
仙台には約15軒のゲイバー、2軒のハッテン施設、ショップなどがあり、東北地区最大のゲイシーンを形成しています。毎年GWには東北のゲイバー対抗バレーボール大会が行われ、「男魂-MEN SOUL-」というゲイナイトが行われ、活況を呈します。
実際に行くとよくわかると思うのですが、東北のゲイたちは、ガッチリ系のイイ男(肌もキレイです)が多く、そしてみんな人がいい(スレてない)のです。ゲイバーもイマドキな若い子系の店から昭和で演歌な店までいろいろありますが、マスターや店員さんがとても感じよく接してくれるのは共通で、「また行きたい」と思わせるものがあります。

やろっこのオリジナルコンドーム。
「いづい」=しっくりこない。
六尺もちゃんと締めればいづくない、
コンドームもちゃんと着ければ
いづくないというメッセージです。 そんな仙台では、「やろっこ(東北HIVコミュニケーションズ・ゲイ・ボランティア)」というHIV予防啓発団体があり、毎月交流会を開催したり、オリジナルのコンドームやフライヤーを作成し、イベントで配ったり、夏にはゲイビーチに行って清掃活動をしたりコンドーム配布を行ったりしています。
もう1つ、あらゆるセクシャリティの人が尊重されることをめざすグループ 「Anego」が2007年に誕生しました。尾辻かな子さんの講演会を開いたり、各地のパレードに出かけたり、バレンタインには「Anego's Valentine」という多様な愛を伝える展示を行ったり、ノンケさんも観ることができるイベントを開催したり、世間に向けてアピールする活動も行っています。
そして、「やろっこ」「Anego」のメンバーをはじめ、いろんな人たちが協力して、GWにはゲイナイト「男魂-MEN SOUL-」を開催しています。今年は初めて、IDAHOの街頭アピールも行われるそうです。
こうした仙台のムーブメントの中心にいて、いろんな活動がうまく進んでいるのは「やろっこ」の代表・ふとしさんの人柄や魅力のおかげだと思います。ふとしさんは「若褌」というサイトも運営し(そのジャンルではカリスマ的存在)、パフォーマンスも得意で(スゴい才能です)、ちゃんと地元のゲイバーなどのコミュニティにも顔なじみで(人気者です)、確かな知性と感性、責任感に裏打ちされています。それでいて、えらそうなところがなく、いつもニコニコと、自然に輪が広がるような雰囲気作りに成功しています。素晴らしい方です。
ゲイナイト「男魂-MEN SOUL-」は、GO-GO BOYショー、アンダーウェア・ファッションショー、勝負下着コンテスト(ほぼ六尺)など、SEXYな催しと、ドラァグクイーンによる楽しいトークやショーが楽しめるクラブパーティです(共催:GUTS)
その中には、ハッテンや男どうしのSEXを肯定し、SAFER SEXの大切さやHIV陽性者への共感が得られるようなメッセージが盛り込まれています。
仙台だけでなく、福島や岩手や秋田…みちのくの各地から集まってきたイイ男たちがいっしょにハッピーな時間を楽しみ、東北ならではのあたたかさを感じることができる、女装や裸などの刺激的な出来事もすべて癒しにつながるような夜でした。たとえて言うならば、無口でシャイだけど男らしくて本理想で、出会って本気で好きになってしまったけど、「もうすぐ田舎に帰って家を継がなきゃいけないんだ」と言って二度と会えなくなり、時々その記憶が蘇ってきて胸がキュンとするような、そんな男と過ごした夜のぬくもりのようなイベントでした(たいへん個人的な経験に基づくたとえですが…すみません)
会場の「SQUALL」は仙台で有名なB系のクラブで、店内にグラフィティが描かれてるようなハコ。女装とか裸の男とかだらけなイベントですが、快く受け入れてくれました。
第一部は「SEX AND THE SENDAI」と題し、ジャーナリストのキャリーが仙台のサマンサたちにハッテン事情やHIV事情などをインタビューするというトークショーが繰り広げられました。仙台はセルフ・フェラできる人が多い説とか、12人に輪姦されて失神した話まど、様々なオドロキのエピソードが登場したのですが、ちょっとイイ話を1つご紹介。仙台の蒲生(深沼)海岸というゲイビーチには、行くと必ずそこにいる(いわゆる「ヌシ」と化した)80過ぎのおじいちゃん(通称サマンサ)がいたのですが、しばらく現れなくなり、どうやら入院しているらしいと。で、病院から「最後に好きなことして過ごしていいよ」と外出を許可してもらい、やっぱりそのビーチに来て、いつものように過ごし、帰り際、道で倒れ、そのまま救急車で運ばれて息を引き取ったんだそうです。それ以来その道は一部の人たちに「サマンサ・ストリート」と呼ばれ、語り継がれているそうです。イイ話ですよね~
その後、フロアの真ん中にランウェイを設け、SHIO協賛によるアンダーウェア・ファッション・ショーが繰り広げられました。仙台のゴーゴーユニット「みちのく駐屯地」+GUTSモデルの合同で、スジ筋からぽっちゃり体型まで様々なタイプの男たちが「大人の遊び着」を自分らしく穿きこなし、カッコよくSEXYに魅せてくれました
第二部はDQショータイム。仙台が誇る「ANEGO GIRLS」は、ドリームガールズショーと競パン姿のSPEED(O)ショーという、キレイ系とお笑い系の両方を見事に演じ、素晴らしかったです(特に仁絵役の「巨根のミニー」さんが絶妙。腹抱えて笑いました)
仙台のゴーゴーユニット「みちのく駐屯地」は、Youtubeで話題になった「BearForce1」を踊って盛り上げてくれました。
仙台だけでなく、東京からの応援団、カルメン・スワロフスキー、阿佐ヶ谷パフュームドール、セイコ・リーのショーも披露されました。セイコ・リーはちあきなおみの歌に合わせ、急遽コンドームの着け方を盛り込んでくれたのですが、歌詞とは違うことをやっている間、お客さんが元歌を合唱してくれて…本当にあたたかくていい雰囲気でした。
GO-GO BOYSショーは、みちのく駐屯地のみなさんも手伝ってくれて、ステージもさびしくなく、SEXYでイイ感じに盛り上がりました。中には間違いなく日本最高齢の方もいて(アラカンっていうんでしょうか?)、拍手!でした。
最終演目の勝負下着コンテストの前にHIV陽性者の手記のリーディングが行なわれ、HIVを持ってる人も持ってない人もわからない人も、この街でいっしょに生きてるね、という「Living Together」なメッセージが共感を呼びました。
勝負下着コンテストは、北は秋田・岩手から南は福島まで、スジ筋からガチムチまで、いろんな体型の方が参加してくれてました。やっぱり東北はお祭りの土地、六尺が人気なんですね~! (地元仙台でオリジナルの六尺を製作している雪熊さんという方が協賛してくれていました)
フィナーレはDJ DD&あさこのアゲアゲなプレイで盛り上がり、みんなステージで入り乱れて踊りまくり。ハッピーに楽しく幕を閉じました!!
最後に主催者やろっこの代表・ふとしさん(写真右)からのメッセージをお送りします。
「『男魂-MEN SOUL-』にご来場いただき、盛り上げていただいた皆さん、本当にありがとうございました。
昼のバレー大会から、夜のゲイナイトまで、東北のゲイパワーを感じた一日でした。
これからも、皆さんと一緒にいろんなことに取り組んでいきたいと思います。
『男魂-MEN SOUL-』とやろっこをどうぞよろしくお願いします」