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Hello,GAY World! 第5回 「みんな私のかわいい息子です」

ビギナーの方のための同性愛入門ガイドです。

まだゲイの世界のドアを開けたばかりのビギナーの方のために、ゲイのシアワセへのヒントとなるような入門的ガイドをお贈りします。第5回は親御さんとの良好な関係について、です。

第5回 「みんな私のかわいい息子です」~親御さんとの良好な関係

VOICE OF HEDWIG』という映画では、LGBTの子どもたちのための学校「ハーヴェイミルク・スクール」の様子が生き生きと伝えられています。ゲイのための学校なんてステキ!と一瞬思いますが、宗教的に同性愛を罪悪だと考える人が多いアメリカでは、親にどうしても認めてもらえず、ハデな服を全部捨てられたり、髪を刈られたりすることに耐えきれず、家出してストリートチルドレンのようになったり、田舎町で暴行を受け、安全に暮らすことができない子どもたちが大勢いることがわかります。
 
日本では殴られたり殺されたりということはそれほど多くはありませんが、やはり厳しい状況に置かれた若い人たちもいます。
実際、僕の友達も20代半ば頃、実家の親御さんにゲイだと知られ、ケンカして、勘当され、しばらくウチで暮らしていました。でもそれももう10年前の話ですから、今はだんだんそういうことは少なくなってきているのでは…と思います。
みんながみんな、親に勘当されるわけではありません。カミングアウトがうまくいって、親御さんと良好な関係を築いている人もいるのです。
 
1月26日に放送されたNHK教育『ハートをつなごう』LGBT特集第2弾では、札幌に住むゲイの方とそのお母さんが登場しました。

義弘さん(34)は23歳の頃から男性を好きかもしれないと思いはじめ、ある時、お母さん(はなえさん)にカミングアウトしました。
「会って話したいことがある、と電話がかかってきました。親の勘。来たか、と思いました」とはなえさん。
「好きなのは男の人なんだよ。それはどうやら僕にとって普通のことなんだよね」と義弘さんが言うと「あなたの自由だけど、それで路頭に迷っても知らないからね」という答えが返ってきたそうです。
「まさか同性愛の息子だなんて思ってなかったし、眠れない時もあった」「言われた母親も、周りに言えない。同じようにLGBTの子を持つ親に相談したら楽になるのかな?」と当時を振り返るはなえさん。
そんなはなえさんに、義弘さんは、同じゲイの息子を持つ親を紹介しました。そこではなえさんは初めて、自分の気持ちをはきだすことができました。
「堂々たる子どもに対する考え方とか、同性愛者に対する考え方とか、すごく勇気づけられました」
そして、日頃からそういう会があったらどんなにいいだろうと感じ、いっしょに親の会を立ち上げました。子どもといっしょに、LGBTの集まりにも顔を出しました。
「本当に思ったことが言える雰囲気って大事だと思うんですよね。うち最近こうなんだよね、とか。うち全然彼氏いないんだよねとか(笑)」
お母さんたちがこうやって世間話のように自然にお話しながら理解や共感を深めてくれるなんて、本当に理想的ですよね! 素晴らしいことです。


毎年レインボーマーチ札幌で参加者のために炊き出しを行っている親の会の方たち

でも、そんな素敵な親の会の中心メンバー、西澤和子さんの場合は、楽しいことばかりではありませんでした。
和子さんが息子のひろゆきさんから同性の恋人を紹介されたのが11年前。
しかし、3年前、和子さんはひろゆきさんを自殺で亡くしました。
和子さんは今でも、亡くなった日のカレンダーをめくることができません。
息子のことは理解していたつもりでした。40歳をすぎ、仕事も落ち着き、安心していた矢先の出来事でした。将来の不安なのか、恋人との関係なのか…自殺の原因は今でもわかりません。
「ひとことで言えば、自信をなくしたんでしょうね…。私は後を追うことばかり考えてた。でも、周りの人が『それは息子さんは望んでないよ』って。そうかなって」
追いつめられていることになんで気づいてあげられなかったのか。悔やむ和子さんを励ましてくれたのは、親の会のメンバーでした。
「そういう子をひとりでも出さないために、話を聞いてあげようって」
和子さんはひろゆきさんが亡くなってからも、札幌のレインボーマーチに参加し、パレードを歩く人たちのために親の会特製のおにぎりを作るという活動を続けています。
パレード後のステージで和子さんは元気に「おつかれさまでした。自分の信じた道は、自信を持ってやってほしいと思います。みんな私のかわいい子どもだよ」と語りました。
「これをやってることで、息子といっしょに、どこかでつながってるのかなって思う。さびしいけど、こんなにたくさん子どもができたんだなって。これからもやっていこうと思います」


第10回レインボーマーチ札幌のステージで、「私の息子は亡くなりました。でも、みんなが私の息子です」とステージでスピーチした西澤和子さん。涙なしには聞けませんでした…

和子さんは、自殺のことは公にはしていなかったのですが、同じ悲劇が繰り返されないようにという願いで、今回初めて「カミングアウト」されたのでした。僕は番組を観ながらボロボロ泣いてしまいました。
同じゲイでも、それぞれにいろいろな事情があり、様々な思いを抱えながら生きています。せめて「親には何でも話してほしい。相談してほしい」と和子さんは語ります。悩みを語らずに息子さんが亡くなり、もう一生それを聞いてあげることができないというのは、本当にやりきれない、断腸の思いでしょう。
 
親の会は、札幌だけじゃなく、東京でも関西でも活動しています。
相談がある方、親御さんに参加してほしいと思う方などもぜひ、アクセスしてみてください。

LGBTの家族と友人をつなぐ会
http://lgbt.web.fc2.com/
LGBTの家族と友人をつなぐ会の清水さんのインタビュー(『虹色』)
http://www.nhk.or.jp/heart-net/lgbt/rensai/araisan/index.html